そろそろ次のところへ

2011年になりましたね。このブログの日付は1月2日になっていますが、サンディエゴはまだ1月1日です。新年になってクラスメートがFacebookでHappy New Year!と投稿したり、大晦日から新年にかけてパーティーをひらいて飲んだりと、ここにはここなりの新年の祝い方があるけれど、紅白が終わった後の『ゆく年くる年』を見ながら一年の終わりをしみじみと感じるのが好きだったぼくとしては、やはり何となくHappy New Year!の『!』のあたりに違和感を感じてしまいます。しかも冬学期は1月3日から始まるから、休みは実質残り1日だけ、そんなに浮かれ騒いでもいられないよね。


冬休みはロサンゼルス、サンフランシスコ、ヨセミテ国立公園といろいろ回ったけど、大晦日はLA在住のいとことの食事のあと、日本人の先輩たちと年越しそばを食べながら静かに楽しく飲んで過ごしました。サンディエゴでCNNのアンダーソン・クーパーを見ながらサッポロビールを飲み、年越しそばを食べるのもなかなかいいもの。普段はアメリカのカルチャーを体験することを心がけているぼくだけど、新年を迎えるにあたってはそういう気になれず、全くの日本人として過ごしたのでした。


去年を振り返るに、やっぱり一番大きな出来事はアメリカに留学したこと。西海岸に雨の続いた年末にワインを飲みながら思ったのだけど、自分がいつか留学するなんて就職するまで考えたこともなかった。中学生の時から文系科目の中で唯一英語が苦手だったぼくは、海外で英語と格闘しながら勉強したり、友達と話したり、スーパーで買い物する自分の姿を想像できなかったし、それを特に望んでもいなかった。どちらかと言えば、新しい環境や体験を求めて海外に行くことなんか下らないとさえ思っていたような気がする。アメリカなんか行かなくても、考えるべきことや悩むことは身の回りにたくさんあった。


そして、今になって思うと、やはり就職して、社会の中で働くということについて身をもって考えることで、そういった意識は変わってきたのだと思う。あまりに自分の近くにある問題は、あるいは自分の中にある問題は、ときにはそれへのアプローチを変えるためにアクションを必要としているのだと。そして、それらに腰を据えて取り組みつつ、世界をみつめる視点としてのツールを手に入れるために、西海岸の学際的なプログラムを選んだ。


渡米して5ヶ月たったいま、自分でもそこそこいいスタートが切れたと思う。英語も少しずつだけど伸びているような気がするし(気がするだけかも知れないけど)、親切でいい友達もたくさんできた。勉強からも新しいことをいろいろと学んでいる。気候はいいし、海は近くてキレイな夕陽が見られるし、運動も出来るから健康的だ。


ただ、そろそろまた次のところに重心を移していかないといけないと思う。人生初めての海外生活になれることで精一杯だった5ヶ月前とは違う。もちろん英語はまだまだだし、日本と同じようにはとはいかないけれど、これからは自分で考えて時間を使っていくことができる。さまざまな物にも望めばアクセスできる環境にある。


たぶん、この5ヶ月間でどこかへと向かう潮の流れを探り当て、なんとかそれに乗れることができたのかもしれない。だから、次は、わずかな風を受けて帆を張り、流れの変化を感じて舵を切り、この2年間でなすべき何か、あるいはそこに向かう毎日毎日の投錨地に向かって少しずつ進んでいかなければならない。あとは明確にどこに進んでいくのかわからないなかで、そんな自分を信じるに足りる分だけ、納得できるものを自分自身にその都度求めて確認していくこと。とりあえず今年はそんなことを考えながら日々を送っていきたいと思っています。というわけで(どういうわけだ?)、今年もどうぞよろしくお願いします。


元旦(アメリカ西海岸時間)


P.S さっきテレビで『プライベート・ライアン』を見ていたのだけど、むかし見たときよりいい映画だと思った。なんであのときはピンとこなかったんだろう?


写真は年末に行ったヨセミテ国立公園。渓谷が雪に覆われていて、心が静かに洗われるような美しさだった。ありきたりだけど、アメリカは広いね。今年は国立公園にもたくさん行こうと思っています。