読書の秋

poriporiguchi2005-09-27

連日の疲れのせいか、13時半まで熟睡。でも久しぶりに良く寝たのでとても体調はよくなる。
昼食も和食で健康的。秋の健康的な1日の始まりです。


松本清張『昭和史発掘』2巻を読み終え、3巻を読み始める。
作者はあくまで編年史的に事実を追ってるので、つっこんだ考察や推測はないけど、その分、おもしろいとこもあります。


読んでいて思ったことは、やはり戦前、国家としての日本はとても苦しい状態にあったのだということ。そして、右翼にしろ左翼にしろ、『国家を変える!』とか言ってるわりには、自分たちの思想にこだわりすぎて誇大妄想的になっていったということ。


過去の歴史を後から断罪することは、現代に生きる者も傲慢であると思うけれど、やはりそこから何らかの教訓を得なければならないわけで。そういう面では、日本人は偏った思想をあたかも教訓として語ることこそすれ、現実というグレーゾーンから何かをひねり出していく際の知恵であるとかいうものはあまり得意じゃないんじゃないかと思ったりもします。


そして、やはり目に見える何かと目に見えない何かのバランスをとりながら進んでいくことはとても困難であり、歴史上でも達成した人は稀だということ。現在の少子化問題でもDVの問題でもフリーターも問題でも、不登校やいじめの問題でも学校教育の問題でも、はたまた平和の問題でも、個人の夢ということに関しても、現実と理想の間を少しずつ、粘り強く進んでいくことからしか始まらないし、そして同時に現実から多くを学びつつ、常に自分自身を更新していかなくてはただの自己満足にしかなりません。


『学生時代には難しいこと考えずに遊んでりゃい〜んだよ』というスタンスは、それはそれでいいと思います
『学生は本をたくさん読んで、映画をたくさん見て、新聞に目を通すべきだ!』
なんてくだらない決め付けだしね。
でも少なくとも自分の問題意識を真剣に考え、現実と理想の間にとまどい、そこで思いっきり時間をかけて自分を自由に更新し続けるのは学生ならではの特権だと思います。


学生時代は中途半端でいいんだと思います。何十年も働いている人に専門分野で勝てるわけがありません。でも納得がいくまで(納得できないことも多々ある)時間をかけて何かにアプローチしていくことで、社会にでているいろんな人に負けないもの、自分の何かに対する「思い」を持つことはできます、たぶんね。できなかったらごめんなさい。


さて、では自己完結にならないためにはどうすればよいか?
たぶん、それは常に自分の属している何かを客観視し続け、必要とあればそれを去っていく勇気を持つことなんだろうと思います。
映画『グッド・ウィル・ハンティング』のウィルほどの才能はほとんどの人にはありません(もちろんボクにも)。でも「思い」に個人差などありません。もちろん努力が前提だし、困難もたくさんあるでしょう。その道を現実的に粘り強く進んでいける信念があれば人生に負けなんてありません、きっと。あったらごめんなさい。


その人たちが全員、自分の夢を達成していくとは思いません。現実にはいろんなつらいことがあるし、非情や不遇があり、それは人間がどうこうできたものではないだろうからです。
でも世界に存在する困難な問題、世界レベルのものからから個人レベルのものまで、それをよい方向に導いていけるとしたら、それはその人たちなんじゃないかと思ったりします。


まずは自分について考えてみる、これは大切なことです、きっと。たぶん。


と、まぁこんなことを改めて考えた今日という日でした。


画像:OASIS “(What's The Story) Morning Glory?”
理由はただ今日久しぶりに聴いて、やっぱりいいなって思ったっていうだけ。