夏も終わり。

窓の外から祭囃子が聞こえます。
つい最近まで、冷房をつけないととてもじゃないと過ごせたものではなかったけど、今日なんか冷房つけてると少し寒いくらいで。まぁじゃあ早く消せって感じでもあるんだけど・・・なんかそういうのってボクにとっては少し決断力のいることなんです。短パンはくのやめたり、長袖を着始めたり、なんか夏の終わりを正面から認めているようなことがちょっと寂しかったりするわけで。そんなたいしたことじゃないだろ、と言えばそれまでなんだけどね。


昔はよく地元の祭りにいったものでした。昼は御輿を担いで、炎天下、冷たい水をかけられながら必死に大声出して、担ぎ終わると配られた「チューペット」っていう安いアイスを食べて(これがうまい)、ちょっと誇らしい気分になったりしてね。


いったん家に帰ってシャワーとか浴び、親にもらった小遣いを首から提げて、友達との待ち合わせに向かうわけです。いろんな露店で簡単なゲームを一所懸命やったり、たこ焼きとか焼きトウモロコシとか食べたり、ほんとに楽しかった。


祭りの夜って不思議なもので、普段は話せないようなことが話せたりするんですよね。なにを話したか覚えていないけど、小学生なりにいろいろ抱えていたことを、階段に座っていつまでともなく友達と話したことを覚えています。
その少しでも覚えていたならな、って少し思います。それとも覚えていない方がいいのかな、覚えていたら普通の思い出に埋もれてしまったかもしれないし。


友達と話しながら、灯っている提灯をぼんやりと見ていました。
キレイだな、って思いました。誰かがみんなのことを見守ってくれているような感じがしました。
でも同時に、それは今だけなんだな、ってわかってました。
引っ越していく友達もいるし、クラス替えもあるし、受験もあるし、こんな風に感じていられるのも今だけなのかもしれないなってね。


だからなかなか帰りたくなかった。家に帰ったら何かがなくなってしまうような気がして。
夜も更けてみんなと別れるとき「また明日ね」って言いながら、
明日の自分たちは今日の自分たちとは違うんだ、ってわかってたんだろうと思います。


いつからかそんなこともあんまり感じなくなりました。それを成長と呼ぶのか、何と考えるのかはわからないけど。


そんなことを考えながら、また夏が終わります。