『通訳/インタープリター』

poriporiguchi2007-05-31

こんばんは。
今週は早く帰れたり、遅くまで仕事したりという不規則な毎日。
・・・といっても毎日遅いよりは断然いいわけだけど。


そんなわけで家に帰って本を読む時間があったので、スキ・キムの『通訳/インタープリター』を読了。
最初の方は結構個性的な和訳のせいか、なかなか入っていくことができなかったけど、途中からはおもしろく読みました。
アメリカ社会における韓国系住民の立場を通して、社会の中でのマイノリティの生き辛さが切実に伝わってきます。
ボクにとって新しい本だったけど、読んで良かったと思えるものでした。


全体をとおして、これはきっとミステリーというジャンルに分別されるんだろうけど、そこがまたいいのかも。
扱ってるテーマがとてもとても重いだけに、ただ事実を語るだけでは、逆にリアルでなくなってしまうのでしょう。


この本の持つ重さは、社会におけるマジョリティーとマイノリティーの関係の中で差別・生き辛さを扱うのではなく、マイノリティーの中でのそれを扱っているところにあるのだろうと思います。きっと差別というものがそのような構造を内包しているからこそ、解決しがたい問題として人間にのしかかっているのだろうし、それは同時に人間が持つ残酷さ、救いがたさすらあらわしているのでしょう。


こういう言い方が適切かどうかはわからないけど、アメリカ社会は一面において人間そのものをあらわしているように思います。だからこそ、他の国が何を言っても聴かないところもあるのでしょう。他の国のキレイな意見を聴いていては、様々な問題を抱えつつも形成されている社会の魔法がとけてしまうのかもしれません。
アメリカについてもっと知らなくては、と思いました。


そんなこんなで明日は金曜。
明後日は土曜、明々後日は日曜。みんながんばろう。