ひとりの季節

poriporiguchi2007-12-09

こんばんは。12月の日曜の夜、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
ボクは鬼束ちひろの『MAGICAL WORLD』を聴きながらブログをつけています。


12月もそろそろ中旬、寒さも厳しくなっているこの季節、昨日、今日と駒沢公園に走りに行きました。
ひとり黙々と走っていると、自分が抱えているいろんな悩みや、人から聞いて心にひっかかっていたことなどが、どこからともなく浮かんできては、突然消えていきます。かたちの定まらないさまざまな曖昧な思念の断片が、ボクの頭にやってきては通り過ぎていきます。


自分の走る少し先の道を見つめていた目を少し上げ、ふと前に続く道の遠くを見たとき、黄色に色づいた紅葉とそれに差し込むオレンジ色をした日の光、そして真っ青な空がとてもキレイでした。心がスッとふくらんで、どこまでも広がっていくような感じで、まるで一瞬だけでも違う世界にいるような気持ちになりました。自分の足が刻む距離を体に感じながら、少しづつ自分を離れて自分を包む世界にとけ込んでいく、そんな感覚です。
そういう感覚を得たいからこそ、ボクは走るのだろうな、って思います。


冬って、いろんな意味で『ひとりであること』を感じる季節だと思います。
ひとりといっても、自分のまわりにはいろんな人がいるし、決してその人たちいなくなってしまうわけではないのだけれど、寒さとか、静けさとか、空の高さとか青さとか、そういうものによって自分と人との関係がどこかで相対化されて、自分がひとりでいることをすんなり受け入れることができるような気がするのです。


冬のよく晴れた日曜日の昼下がり、コートを着込んでマフラーを巻いて公園のベンチに座り、何もせずにぼぉっと遠くの空を見ていると、自分が抱えている悩みとか問題とかが、いつのまにかぼんやりしてきて、自分ってなんだんだろうな、って考えていたりします。明日から会社で働かなくてはならないし、自分には一緒に遊んでくれる友達や、いつでも心配してくれる家族がいる。でも、それでもやっぱりひとりなんだよな、って思います。


そしてそれをささやかに自分の心で受け止めたあと、ぶらぶらと歩き出し、楽しそうに遊んでいる子どもを見ながら、なぜかとてもあたたかい気持ちになるのです。
なんなんだろうね、これ。自分でもよくわかりません。ちょっとかわっているのかもしれない・・・


まぁそんなこんなで明日からまた仕事。先週は『罪と罰』を読み終え、今はジョイスの『若い芸術家の肖像』を読んでいます。おもしろいです。
ワインでも飲みながら続きを読みたいと思います。ではまた。