幸いなるかな

poriporiguchi2008-11-29

こんばんは。土曜の真夜中を過ぎ、外はとても静かです。
さて、今日は先輩と友人の結婚パーティーでした。
みんなが思い思いに二人の新たなスタートをお祝いするとてもよい時間でした。こんな日には難しいことを言うような野暮なことをしたくないので、ひねくれ者のぼくでも昔から好きな吉野弘さんの詩を紹介するだけにしたいと思います。
決して手抜きではないですよ、ほんと。知ってる人も多いかもね。結婚してからとかだけじゃなくて、人との関係ってこうあれたらいいな、って思います。

祝婚歌    吉野弘


二人が睦まじくいるためには 
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは 
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと 
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが 
ふざけているほうがいい 
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても 
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは 
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは 
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか 
正しくありたいとかいう
無理な緊張には 
色目を使わず
ゆったり ゆたかに 
光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに 
ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして 
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても 
二人にはわかるのであってほしい

ではよい週末を。